本とはどのような出逢い方をしてもよい。そして、今は様々な形での本との出逢いが溢れる時代となっている。そうして巡り合った一冊が人生を変えることも有り得る。私がそうだ。あの一冊がなければ、読書に目覚めることもなく、ましてや作家になろうとも思わなかった。作家になったからこそ、佐賀駅に書店を復活させようと思ったのだ。一冊の本にはそこまで繋がる可能性がある。それを地域で後押しする。将来の奇跡を生む取り組みになるかもしれない。
読書は、ひとり黙々と楽しめるものです。紙の本であれば、充電切れの心配もなく、どっぷりと自分の世界に浸ることができます。そんな時間は、自分自身と向き合う大切なひとときでもあります。一方で、読書には〝共有できる楽しさ〟もあります。面白かった本を伝え合い、感想を語り合う——ビブリオバトルは、まさにその〝共有〟を体現する素晴らしい取り組みです。好きな本の魅力を、自分の言葉で、思いっきり表現してください。
ビブリオバトル普及委員会 理事
九州地区代表
佐藤 慧さんさとうけい
ビブリオバトルでは、5分間の中であなたが本を語り、本があなたを語ります。未熟でも、粗削りでも、完成されてなくても、あなたの心の奥深いところからでた言葉であれば、それは必ず誰かのもとに届きます。そして、次のページをめくることを「楽しい」と思える人は、新しい世界を知ることも「楽しい」と思える人だと私は思います。長い小説を読むことこそが読書、という既成概念から少し離れて、新しい読書の形、はじめてみませんか?
佐賀大学
大学院学校教育学研究科 准教授
博士(教育学)
竜田 徹先生
アメリカのホラー作家スティーヴン・キングは、「本とは、持ち運びできる魔法である」と言いました。けれど、本がそこにあるだけでは何も起こりません。読む人がいて、はじめて魔法は始まります。そしてその魔法は、読書した自分だけでなく、他の誰かにも届きます。それがビブリオバトルの奇跡です。本を読んでいるあなたは十分すごい。でも、それを誰かに伝えようとする勇気は、もっとすごい。本を読み通した経験を勇気に変えて、誰かに読書の魔法をかけてください。みなさんの挑戦を待っています。